石保の瓦
Ishiyasu's kawara
「いぶし瓦」
日本独特の色の瓦。木造だけでなく洋風・現代建築にも広く利用される。耐久性に優れ、神社仏閣や古いまちなみなどの歴史的な景観を美しく保つ。焼成した後の燻化工程が特徴。釉薬を使わないためリサイクルにも適したエコロジー建材。
「古色瓦」
いぶし瓦の光沢をなくす特殊焼成により、昔ながらの風合いを演出した瓦。調整技術の難しい古色瓦だが、石保では焼成工程を微妙に調整。さまざまな色彩や風合いも出せるようになり、文化財の修復や敷瓦、内外装にも多く使用されている。
「新塩焼瓦」
昭和初期より三州では、食塩を窯に投入して釉薬形成させる技術を使う塩焼瓦(赤瓦)がつくられていました。塩焼瓦は、吸水率が低く凍害にも強いので全国に普及していましたが、現在では入手することが困難な瓦となってしまいました。そこで石保では、先人の逸品とも言える塩焼瓦を無くしたくないとの想いから、新しい製法を開発し現在の窯でも製造することに成功しました。
製造工程
manufacturing process
01 現場打ち合わせ
文化財の修復は実際の瓦を持ち帰り、施工図での検討や施工前の職人との打ち合わせが欠かせません。
02 他業者打ち合わせ
鬼瓦や家紋の入る瓦など複雑な形状を再現して欲しいとの要望も多く、鬼屋さんなど他業者との打ち合わせは頻繁に行われます。難しい案件も気心の知れた業者さんとのきめ細かい連携で対応しています。
03 荒地出し
土練された粘土塊を様々な形状の瓦の荒地に生成します。この粘土を押し出す荒地工場は、現在では数少ない貴重なものとなり連携業者に生成をお願いしています。
04 成形
石保では他社にはない金型を多く所有しており、様々な種類の瓦をプレス加工で作製しています。さらに、型では作製できない複雑な形状も手造りでご要望にお答えできるも弊社の強みです。
05 仕上げ
磨き、面取り、バランス調整など手作業で一枚一枚丁寧に仕上げを行います。
06 乾燥
屋内でゆっくり扇風機の風を当てたり、天日干しにするなど5日間ほどかけてしっかり乾燥させます。
07 窯入れ
焼成には大型のガス窯を使用します。窯の中でバランス良く熱が行き渡るように配置を考えしっかり焼成できるように並べます。
08 焼成
約30時間かけて1100度以上で焼成します。その後、約900度で燻化させます。燻化の時間、温度、量の調節により「いぶし瓦」や「古色瓦」など様々な色につくりあげます。
09 窯出し
燻化後、40時間かけて自然冷却し窯出しします。その後、窯出しした瓦のすすを払います。
10 検品・梱包
欠けや割れなど確認して梱包していきます。
11 出荷
完成した瓦をお客様の元に出荷します。